いつまでも平凡な日々が続くと思っていた。キミがあたしを裏切るまでは。
当たり前の毎日が終わり、悪夢が始まる今、たった一つの光を求めて、”ユメ”は歩き出すー……
*
それから”ライ”との関係は、今まで何もなかったみたいに、話すこともなく、目を合わせることもなく、全てがなくなったように思えた。
”ユメ”の笑顔はどこかに落としてきてしまったように、毎日泣きそうな顔をしながら、学校に行っていた。
まるで雨の日。
曇り空は毎日続き、泣きたくなれば雨が降る。
そんな毎日。壊れてしまいそうになる。 重苦しい空気。
いっそのこと、死んじゃおうか。
そんなとき、救いの手を差し出してくれたのが
”ジュリア”だった。
「大丈夫?」
三角座りで頭をしたに向けている私の顔を覗いていってくれたね。
その時私は、この人なら大丈夫って思った。
「……っ……」
その後私は、”ジュリア”の前で、ガマンしていた涙を、声を、心からあげ、すがりついた。
もう二度と失いたくない友情。 このとき芽生えた友情。
それは、失わないために、努力しようと決心した日。私と”ジュリア”の始まり。
そして、
”悪夢”の始まり。
*
私と”ジュリア”は、毎日しゃべった。
ほとんど毎日遊んだ。
次第に私にも笑顔が戻ってきて、学校へ行くのも苦でなくなった。
相変わらず、”ライ”の冷たい目線はなんだか怖かったけど―……
それでも、独りぼっちでクラスで浮いていた時よりかは、断然良かった。
”ジュリア”は私の”尊敬”だった。
だって、いつも一人で、なのに一言も弱音をはかなくて、涙もなくて。
”強い”ということばは、その時の私にとって、奇跡みたいなことだった。
だけど、そんな幸せも、長くは続かなかった。
「ジュリア……???」
”ジュリア”が、あの”ライ”と、話している。
今まで”ジュリア”は私としかしゃべらなかった。
なのに、なんで突然?
私が眺めてみていると、”ライ”がかすかにこっちを向いて、笑った。
私への、嫌がらせ?
つらかった。 泣きたかった。
でも、何も出来なかった。
強くなれない私。
弱いままの私。
自分がどんどん嫌になる。
闇から救い出してくれた”ジュリア”は、私の中の悪魔のそばに、私は、一人ぼっちの闇に、戻る。
それからというもの、もう”ジュリア”は二度と、私のそばにこなくなった。
やっぱり、”永遠”なんてありえないんだ。私はきっと、信じすぎなんだ。
もう誰も信じない。
友情なんてことば、信じない・・!
”ユメ”はそう誓った。
*
どれだけ傷つけば終わるのだろうか?
この”悪夢”は、いつになったら終焉を迎えるのだろうか?
待てば待つほど期待に変わる。
だがそれは、裏切りを知った時、心を強く殴り殺す。
また独りぼっち。
そんなのもういやだ。
私は、立ち上がった。
もう頼らない。
私自身が強くなるんだ。
真似なんてしなくてもいい。
”私らしく”、生きればいい。
闇から、自分の力で抜け出すんだ!!!!
”ユメ”は誓い、悪夢の中を、歩み始めた。
出会いとさよなら
2009/5/6 : 加筆修正