運命はいつだって、そこにあった
―――――……4年前
それはまだディアと出会う前の事だった。
私はいつも一人だった。
そう、今の私みたいに。
愛想はなく、いつも一人で堂々としていたから、友達が一人もいなかった。
そんな中、私は、一人の男の子に恋をした。
そして、 告白した。
でも、何も答えてくれなかった。
”うん”でもなく”ううん”でもなく、”イエス”でもなく”ノー”でもない。
無視されていたのかな。
でも、それでも、私はその人が大好きで、その人の優しさが大好きで。
あきらめられなかった。
その男の子は、いつも学校で強気な態度とって、周りから恐れられている。
でも、私は見てしまった。
放課後の公園、自分の不注意で傷つけてしまった小さな花に、優しく土をかぶせてあげている姿を。
私に気付いたその人は、”絶対このことヒミツだぞ”っていって、にこって笑ってくれた。
全部大好きだった。
私は覚悟した。
どんなに無視されてもいい。
私はあの人が好きなんだ。
何も返答がないなら……。
いいよね。
お弁当作るくらい……。
ある時私は、お弁当を作り、その人にあげようと決意した。
そう決意した次の日、お弁当を二つもって、彼を探していた。
「どこだろう……。あ、いた!!」
彼は裏庭、丁度木で隠れる場所にいた。
「リア、お弁当―……」
”お弁当作ってきたんだ。いっしょに食べよ!”
そういいたかった。
でも……・いえなかった。
私はその場にいられなくなって、校舎のなかに駆け込んだ。
私の手には二つのお弁当。
そして心には、大きな穴。
信じられなかったんだ。
大好きな彼が、女の子が作ってきてくれたお弁当を、その子の目の前で ”ゴミ箱に捨てた” なんて。
後からウワサで耳に入った。
彼は ”悪魔” だったらしい。
それから私は学校を行かなくなった。
彼のことも、忘れる事にした。
その日あったことを、封印することにした。
ディアと出会ったのは、それから一年たってからだった――…………
02エンド
2009/5/6 : 加筆修正