スキのキモチ

01

気が付けば陽は落ち、空は暗くなり始めていた。

もう夏も後半に来ている。
6時半を過ぎた今、暗くなり始めるのは不思議じゃなかった。

私は仕方なく家に戻った。
どうせ家には帰らないといけないんだ。
今の私の居場所はそこなんだから。

家には当然悪魔・・・リアがいるだろう。

家の前、扉の前、ドアノブに手をかけた。

”ガチャ”

あれ・・まだ手を動かしてないのに……。
扉が勝手に開いた……。

「どこ行ってたんだとは言わないけど……遅い」

何それ……。

「遅いからって心配でもしてたの?」

「それもある……けどっ」

何か言いたそうな顔をしているリアが目に写る。
でも、そんなことは無視して、 今一番聞きたいことを一つ、リアに問いかけた。

「私の告白を聞いて……本当はどう思ってたの?」

悪魔はうつむいて黙り込む。
静まり返った空気が庭に流れる―……
この時間、この家の周りには人は住んでないから、車の音も、虫の鳴き声も、聞こえない。

「そんなに私のこと嫌いだった?!だろうね!!!アンタ悪魔だもん!!!!!天使の私の気持ちなんて、分かるワケ―……」

”分かるワケない”

「?!」

唇に、何かが触れる。
リアに……キスされてる。
何も言えない状態。

体中が熱くなる。

だんだん、息が苦しくなってくる。
心臓が早くなる。
このままじゃ、悪魔に殺される!!
なんて、冗談なんかいえる状態じゃなかった。

”ドン”

思い切って、リアを突き飛ばした。

「行きなり何すんのよ!!!!!」

怒りのこもった声で言う―……というより叫んだ。

「好きなんだよ!!!!!!!!!」



えっ―……



突然の告白に

驚きと

焦りを



隠せない


01エンド
2009/5/6 : 加筆修正