運命はいつだって、そこにあった
気が付けば陽は落ち、空は暗くなり始めていた。
もう夏も後半に来ている。
6時半を過ぎた今、暗くなり始めるのは不思議じゃなかった。
私は仕方なく家に戻った。
どうせ家には帰らないといけないんだ。
今の私の居場所はそこなんだから。
家には当然悪魔・・・リアがいるだろう。
家の前、扉の前、ドアノブに手をかけた。
”ガチャ”
あれ・・まだ手を動かしてないのに……。
扉が勝手に開いた……。
「どこ行ってたんだとは言わないけど……遅い」
何それ……。
「遅いからって心配でもしてたの?」
「それもある……けどっ」
何か言いたそうな顔をしているリアが目に写る。
でも、そんなことは無視して、 今一番聞きたいことを一つ、リアに問いかけた。
「私の告白を聞いて……本当はどう思ってたの?」
悪魔はうつむいて黙り込む。
静まり返った空気が庭に流れる―……
この時間、この家の周りには人は住んでないから、車の音も、虫の鳴き声も、聞こえない。
「そんなに私のこと嫌いだった?!だろうね!!!アンタ悪魔だもん!!!!!天使の私の気持ちなんて、分かるワケ―……」
”分かるワケない”
「?!」
唇に、何かが触れる。
リアに……キスされてる。
何も言えない状態。
体中が熱くなる。
だんだん、息が苦しくなってくる。
心臓が早くなる。
このままじゃ、悪魔に殺される!!
なんて、冗談なんかいえる状態じゃなかった。
”ドン”
思い切って、リアを突き飛ばした。
「行きなり何すんのよ!!!!!」
怒りのこもった声で言う―……というより叫んだ。
「好きなんだよ!!!!!!!!!」
えっ―……
突然の告白に
驚きと
焦りを
隠せない
01エンド
2009/5/6 : 加筆修正