運命はいつだって、そこにあった
悪魔につれてこられたのは、 ”秘密の部屋”だった。
私が目を覚ますと、心配そうに覗き込む、悪魔の姿があった。
「なんであんたがここにいるのよ!!!出てって!!!」
今は何も考えたくない。
何も思い出したくない。
悪魔なんて大嫌い。
これ以上つらくなりたくない。
かかわりたくないの!!!
そんな想いだって、届くことはないの。
「出て行くとか、ムリに決まってんだろ〜!」
さっきまでの心配そうな顔はもう何処かに飛んでいき、
ホッとしたような、おちゃらけているのか、
ケラケラと笑っている悪魔の姿が目に映る。
「なんでこんなことするのよ!」
「―…この前は………泣かせてしまって、ほんとにごめん……」
「え……?」
絶対誤ってくるなんてありえないと思ってた。
悪魔だから。
なのに、なんで?
もしかして、ちょっとづつ、天使の心を思い出してきているの?
「いいよとは言わない。でも。」
「?」
「ありがと。」
「?!」
悪魔は少し、顔が赤かった。
01エンド
2009/5/6 : 加筆修正