今宵、貴方は愛に満たされる
ティンカと初めて会った、その日の夜。
リズミは再び彼に出会う事を恐れていた。
だって、次に彼に会う時は。
"恋"を成就させてあげなければならないから。
それはつまり、"敵の弟"と、"リズミ"が結ばれなければならないから。
もしもティンカとリズミが結ばれなかったら。
きっと彼の恋心は、"黒恋団"に奪われてしまう。
そんなこと、絶対にされてはいけない。
もうすでに一度、過ちは起きてしまっている。
人になった猫と、可哀相なお嬢様の恋。
そんなの、もう二度と繰り返したくない。
リズミの心の中は、まるでジレンマのような思いでいっぱいだった。
Yエンド
2009/5/6 : 加筆修正