××の恋

V究極の選択肢

「ミズノって……黒恋団で有名な、あの"ミズノ・テェル"?」

「違う。あのオトコは、"テェル"の弟。"ミズノ・ティンカ"よ。お兄さんが黒恋団のボスだとは、まだ知らないようね。」

ミズノ。それは、リズミの敵、悪い奴、黒恋団のボスだった。

「どうする?リズミ。もしも貴方がこの恋を成就させなければ、ティンカの恋心は黒恋団に盗られてしまうわ。」

リズミのイクを握る強さが増す。
歯軋りの音が聞こえる。

「だけどこの恋は成就させられない。私とミズノは敵同士。敵の弟との恋なんてムリだよ。」

いつもと違って、弱気な発言をする。
でもそれも仕方ないことなのかもしれない。
選択肢を選べない、こんな究極の問題は、

これが初めてだったのだから。


Vエンド
2009/5/6 : 加筆修正