今宵、貴方は愛に満たされる
僕を人間にして下さい―……
そう強く願った。
そしたら、なんと僕の目の前に、今までいなかったはずの女の子がいた。
その子は、僕の知っている結菜ちゃんよりも、結構年下に見えた。
中学生くらいかな?
「にゃあ?」
鳴いた後に、ハッとした。
僕の言葉を、この人が分かる訳ないのに。
だって、僕は猫―……
「わかる」
え?
「キミは人間になりたいんだよね」
どうして、僕のコトバが?
「あたしは"リズミ"。キミの願いを叶えてあげる」
この人は、特別なんだ。
きっと、きっと、リズミちゃんは、本当に僕の願いを叶えてくれる。
確信した。
「にゃあ、にゃああ……にゃあ!!!!」
僕は、精一杯の思いを、リズミちゃんに伝えた。
そうすると、リズミちゃんは、にっこりと微笑み
「確かに想い、受け取りました」
と、言った。それと同時に、僕は、立っていられなくなるほどの激痛に、気絶してしまった。
次に起きた時、僕はどんな姿になっているのか……
目に映る真実を、確かめるために。
Wエンド
2009/5/6 : 加筆修正