小さな小さなタンポポの恋

Vタンポポの想い

バイク乗りの新聞配達さんが、バイトを止めてしまい
もう眺めることができなくなったからです。

 今まで、強い強い雑草だったのに、”恋”という迷惑な感情のせいで
こんなにも元気を失ってしまう。

 あの日、あの人を見なければ?
 あの日、あの人に気付かれなければ?
 あの日、夜の間に踏まれてなければ?
 それ以前に、あの人があんなに優しくなければ?

 こんな想いをしなくて済んだのに。

今は苦しいだけ。
しょせん雑草。

人間に恋心なんて持つほうがおかしいんだ。

 そう思い始めていた時、タンポポに信じられない救いの言葉が届いた。

          「貴方の想い、届けましょうか?」


Vエンド
2009/5/6 : 加筆修正