運命はいつだって、そこにあった
泣きたい。
ディアといっしょにいたい。
あんなことなければ今頃わたしとディアは幸せに暮らしていたのかな?
天使とか言ってるクセに、いいことなんて、今はちっともない。
「ディア……ッもうわたし泣きたいよっ……!!!」
泣きたい。泣いて弱さを誰かに包み込んでもらいたい。
でも、今は貴方がいない。ディア、貴方がいない。
辛い。
ディアとの過去を思い出してしまったから。
死んでも思い出したくなかった過去なのに
なんでわたしは思い出してしまったの?
―……悪魔のせいだ。
悪魔って、なんて憎らしいんだろう
心がまだヒリヒリしていて、のどはカラカラで、
目は真っ赤に充血してしまったわたし
それでもまだ泣いている
また以前のように、ディアといっしょにいたい
思えば思うほど気持ちは高まって、
思えば思うほど悪魔が憎くなる。
「ディアぁーーーッ・・・!!!!」
秘密の部屋には誰もこない。
だから思い切り泣いても平気なの。
思い切り泣いても気付かれないの。
だからここで思い切り泣いて、
心をスッキリさせたいの!
今だけでいいから
少し泣かせて
弱音を吐かせて
そう思ったのは、今日の今が始めてだったのかも。
しばらく。
そう、だいたい二時間くらいして。
やっとわたしは落ち着く事が出来た。
でも、教室に戻る勇気はない。
だって、悪魔と喧嘩して、少し涙が零れて、教室から勢いよく飛び出して、
みんなにどう思われたか、なんて考えたら、戻るのが少し不安なんだ。
「今日はもうこのまま帰ろう……。」
わたしは、みんなに会わないまま、帰ることにした。
02エンド
2009/5/6 : 加筆修正