運命はいつだって、そこにあった
「だぁぁぁっ重いー!!!!」
「あんた男でしょ!もうちょっとしっかりしてよ!!!」
テンです。
私達、テンとリアは、今日、めでたく初デートに来ています。
ここは、天界デパート。
今まで人間界にいて買えなかったモノを買いに来たの。
「女っていう生き物は、どーしてこう、買い物でここまでの量を買うんだ?絶対多いって……」
「カーーーーーツ!!!!!!!」
ビシッ!
「いってぇえええええっ!!!!!!!!!!!!!」
ビンタ炸裂。
「買い物は、得したもん勝ちなの。いい?!」
「……はぁ。」
リアは、大げさなため息をついた。
買い物は久しぶり。ほんっとーに、楽しい。
もちろん、買い物がスキってのもあるけど、それだけじゃない。
「リアがいるからだよ」
「え?」
「なんでもなーーーいッ♪」
ぽそ、と呟いたコトバに、聞き返してきたリア。
このことは、ヒミツにする。
てくてくてく、と、デパートの中を歩いていた。
すると、一店の宝石店を見つけた。
「わ―……綺麗……」
思わずうっとりしてしまうくらいの輝きをする宝石。
値段、約1000万円。
「た……高…………」
私は、そう声を漏らした。
「そーだなぁ。それよりさ、オレらの初デートを記念して、何か買ってやるよ!!!」
リアの提案に、のった!
「うん、うん!それ、いい!!」
私は、とても嬉しかった。
こうして好きな人と、また一緒にいられることが。
「何がいい?」
「リアが買ってくれるんだったら、なんでもいいよ!」
本音だった。
リアが買ってくれるものに、嬉しくないモノなんてない。
「わかった。じゃあ、楽しみにしててよ」
「えー?今買ってくれるんじゃないの?」
私が不満そうに言うと、リアはにっこり微笑み、「知らないほうが、プレゼントとしてはワクワクするだろ」と言った。
01エンド
2009/5/6 : 加筆修正