オマケ

02

その日の夜、私は、とある異変に気が付いた。
いつも鍵をかけているはずの窓が、帰ってくるなり、無造作に開けっ放しにされていたのだ。

そして、感じた。

「誰?誰がいるの?!」

叫んだ。でも、返事はない。
廊下を、ゆっくりと歩く。
冷や汗が、掌ににじむ。

このドアをあけると、そこはリビングだ。
そこにだれかがいる。

ごく……

ドアノブに手をかける。

キィイイ

ドアの開く音。

ドクン、ドクン

真っ暗な暗闇が見えた。視線を暗闇の中深くまで送った。その瞬間


パァァァアアアアアンッ!!!!!!!


「?!」

行き成り大きな音が鳴った。
それは、クラッカーの音だった。

「な……何……」

驚いて、腰が抜けそうだった。
暗闇は、ぱっと明るくなり、テーブルを囲んだてんし達が、私を見る。

どういう……こと?

よくみると、リアもその中に混じっている。
リアは、私の方に歩き、そして満面の笑みで言った。


「お誕生日おめでとう!テン!!!」


パチパチパチパチパチ!!!!


「え……え……え?!」

思いもよらない出来事に、私は、頭が混乱した。

「今日、テンちゃんのお誕生日でしょ!」

そう声をかけてくれたのは・・・。
昔、てんし学校で一緒だった、同級生の女のコ、ミツ。

「ミツちゃん!」

そうか。
すっかり忘れていた。
今日は、私の誕生日だったんだ。


テーブルの上に置かれたケーキ。
ろうそくを、フッと消す。


「17歳の誕生日、おめでとう!!!」

「ありがとう、みんな!!」


拍手の音が、小さなリビングに響き渡る。


「何年ぶり?ほんと、懐かしい!」

私は、ここにいる5人の人としばらくしゃべり、みんなが帰った後、リアと二人きりになった。

「テン、驚かしてごめんな?」

「いいよいいよ!こんな楽しい誕生日パーティー初めてだったから……」

私がそういうと、リアは微笑み、そして、綺麗にラッピングされた袋を差し出してきた。

「これって……?」

「いいから開けてみろって!」

ああ、デパートで言っていた……。
なんでもいいっていったんだっけ。
何が入ってるのかな―……

そう思い、ゆっくりと開けてみると、中から出てきた、無限の光を放つ、キラキラした宝石。

「これって……まさか……!」

「そ。さっき、デパートでテンが綺麗って言ってた髪飾り。」

あ……あ……あの、た……、高い、1000万円の?!

「リアッリアッもう、本当、なんでそんなに優しいのよ!!!大好きィ!!!!」

半分、怒り、半分、嬉し。
そんな変な感情に、出た言葉はこんなのだった。

「何で怒ってんの?!」

リアはやっぱり、あたふたしだす。


omake.jpg(156853 byte)

その日がテンにとって、永遠の記念日になったのは―……

―……いうまでもない。


オマケEND


02エンド
2009/5/6 : 加筆修正