てんし

03

ちろちろちろ、と川が流れる音。
ちゅぴぴぴぴ、と鳥が鳴く声。


ああ、平和だなー、と、改めて実感した。
広い草原に、真っ白な羽ふたつ


「ねえ、リア。」

ふたりのてんし

「何?」


寝転びながら、リアに告げる。


「これから一緒に住もうよ。」

「テン―……いいのか?」

「うん。私も1人だし、前みたいに、一緒に。」

私はにっこりと微笑む。

"楽"を教えてくれたのは、ディアだったけど、"笑"を教えてくれたのは、リアだった。
"愛"を教えてくれたのは、ディアだったけど、"恋"を教えてくれたのは、リアだった。


「ありがとう―……テン。」


素直になるよ。
もう自分に嘘は吐かない。


「リア」


ずっとずっと、"好き"でいててくれた


「何?テン」


いつも傍にいてくれる貴方へ






「大好きだよ」






-てんしEND-


03エンド
2009/5/6 : 加筆修正