鏡に映った者は灰となって消えてゆく
「アハハハハッ」
「それって本当〜?!」
「マジキモイんですけど!」
―…あ!
「
何の知らせもなく
「それでさ〜!!!」
「超ウケルし!!!」
それはやってくる
「ま……待って!羅緒!!!」
手を伸ばしても
"パシンッ"
「うざいなぁ……もう。触んないでよ。」
痛いだけ。
「何で………避けないでよ。」
企みの笑顔で
「羅緒の嫌いなモノ、知ってるよね。」
キミは言う。
「……汚い人と………しつこい人」
震える声で、汗ばむ拳を強く強く、握る
「だーいせーいかーい♪」
天使のような、明るく可愛らしい微笑み
「でもね、羅緒、今もう一つ嫌いなモノ、増えたんだ〜」
キミはまるで、地に埋もれたゴミを見る目で言う
「あんただよ」
冷たく恐ろしく
見下すキミの視線の先
あたしの表情を伺っている
「あんたなんか、もういらない」
この、真っ黒でドロドロした気持ちはなんだろう
モヤモヤとして、何かをしないと気がすまないようなこの気分
落ち着くために
いつも持ってる手鏡に
自分の姿を映した
―…昔から変わらない、安心の仕方
この鏡さえあれば大丈夫
だってこれは……母の形見だもの
これに映るあたしの姿
ちっとも惨めなんかじゃない
それを確かめた後
ふと考えた
きっとキミを鏡に映せば
悪魔のような本当の自分が見えてくるよ
………ねぇ
キミも見てみようよ
何も偽らない
本当の
惨めで残酷な自分の姿を
怨鏡エンド
2009/5/6 : 加筆修正