運命はいつだって、そこにあった
「リア、格好良く言ったのはいいけどさ」
「何?」
「私、どうやってリアに教えればいいの?天使の心。」
「……分かんねぇ…………」
「はぁ、じゃぁどうしようもないじゃん。」
「うーーんッ」
全く。
私も馬鹿だよ。
こんな悪魔の為に、私はずっとずっとこの3年間頑張ってたと思えば。
だけど、さ。
私が1番好きだったのは……
天使に化けてたディアじゃなくて……
―……あの時の優しくて愛らしい、リアだったんだよ。
私は、そのことに気付いてしまったの。
だから、リアの頼みを聞いてあげた。
だけどこの気持ちは……リアには内緒にしておくよ。
だって、リアは悪魔だもん……
例え私が天使の心を思い出させてあげられても……
きっと魔女は……
「ン……テン……」
ん?
「テン……・き……て……か……テン!聞けって!」
「わッごめッ考え事してた!」
リアの呼びかけに気付かなかった……
もう!こんな事考えるの、止め!!!
「考え事って……何考えてたんだ?」
ぅ"……なんていおう……。
「あッ今日の晩御飯、何にしようかなぁ〜〜〜なぁんて……」
我ながらカナリ怪しい言い訳!
「テンが……オレの食事の為に……そこまで悩んでくれるとは!」
は?
「テン……」
あ……なんか……やばい?
「大好きだぁぁぁぁーーーーー!!!!!!!」
リアが抱きつこうとして、思いっきり飛んだ。
「わッ」
私はそれを、上手い事よける。
大きな音と共に、リアは地面に叩きつけられました。はは……。
「痛そ……」
「いってぇ・……てめ、何避けてんだよ!」
こいつ……・何様のつもりだよ……!
「私に抱きつこうなんて、100年早い!」
ビシッ
と言い放った。
「ちぇー。」
リアは膨れ上がった。
「……ッぷッ…………あはははッ」
それが可愛くおもしろくって……
笑っちゃった。
「やーーーっと笑った!」
リアが笑顔になって言う。
「え?」
「オレの頼みを聞いてから、ずっと悩み顔だったじゃん!だから!」
「あ……」
リア……
前にもこんな事あったよね。
その時は……リアにキスされて悩んでたとき、
料理を作るって事で……
思い返せば私は……何度も何度もリアに救われてた。
「リア……リア……優しすぎるよ…………なんでそんなに………っ」
フワッ
あったかい……
あ―……
リアは私を、優しく抱きしめてくれていた。
私は、涙を堪えて……
だけど、
リアの腕の中で結局泣いてしまった。
最初はこんな悪魔、最低で、ダイッキライって思ってたのに。
いつの間にか、私は、リアの事、こんなに好きになってる。
リアの存在は……
私の心の中で、
確実にディアよりも大きくなっているよ―……
02エンド
2009/5/6 : 加筆修正