心を閉ざしてしまった女の子のぬいぐるみの恋

U捨てられた僕、拾われた僕

「こんなぬいぐるみ、もういらない!」

どうして……あんなにも一緒に遊んだのに。

「もう中学生だもん。それに、こんなにボロボロになったぬいぐるみ、汚いし……」

だけど、だけど。
ずっと一緒だったよね。
ボロボロになっても、ぎゅうってしてくれたよね。
なのに……なのに。

「だから、捨てに行く!!」

真衣ちゃん……。


そして、その熊のぬいぐるみは、公園のベンチの上に、捨てられました。


「わあ!可愛いくまさん!!」

雨の降った日でした。

「ねえ、私のところに来て!」

どろどろになったぬいぐるみを

「一緒に遊ぼう!!」

拾ってくれた女の子。


「くまさん!」


うん。一緒に、遊ぼう。


にっこり微笑む、可愛い女の子。
幼稚園くらいかな?
僕をぎゅうってしてくれた。
真衣ちゃんみたいに。


Uエンド
2009/5/6 : 加筆修正